みみず物語
抽象アニメーションの世界を極めた作者が、新たに物語性をうち出すことを始めた記 念碑的作品。スチール写真の素材を中心に、絵あり、実写あり、とあらゆる手法を駆使した実験精神あふれる傑作。物語はウサギとミミズの駆け比べという民話のパロディーで始まる。ほのぼのとした
雰囲気から一転、非論理的なイメージが連続的に重なり、物語は脱線していく。突然キスをはじめるカップルや、臓物にまみれる胎児など奇妙な物体が次々と現われ、画面いっぱいアナーキーな乱痴気騒ぎとなる。気がついた時、ウサギはミミズに食われていた・・・・・脳髄の整合回路を錯乱させる不条理ギャグ満載!
箱の時代
主人公の男は自分のフィルターでしか女性を見ようとしない排他的なオタク男。自分勝手な恥知らずな悪行の末に“理想の相手”にめぐりあいプロポーズするが、女房は何と魚だった?!・・・。情報に密閉された六面体の都市で、窒息寸前の現代人。他人とのコミュニケーションがうまくいかず、結婚もままならない。そんな人間に密かにエールを贈った、シニカルなブラックコメディ。
グロテスクな色調と登場人物たちのコミカルな動きに注目!『みみず物語』からストーリー性をうち出してきた作者の、ひとつの集約的作品。
春子の冒険
春子は無機物と交信できる超能力を持つ少女。ある朝、何者かの呼び声に目覚め、誘われるままに辿り着いた場所は、無数の“もののけ”たちの住む、昭和30年代の廃屋アパートだった・・・・・・。翻弄されながらも、いつしか彼等と心を通わせる春子。そこへ 地上げのブルドーザーが襲ってきた!解体前の廃屋を舞台に、ほのかな少女への憧れと都市への郷愁を漂わせた正統派SFホラー&ファンタジームービー。
実写のモノクロコピーが、空気のざわめきを描写した意欲作。
個人都市
賞味期限切れのポテトサラダを食べた為に腹をこわした僕が迷い込んだ場所は、摩訶 不思議な迷宮ワールド“個人都市”だった・・・。トイレという密室空間から都市空間へとくり広げられる、都会の孤独感がまきおこすシュールな妄想の倒錯劇。
実写、スチール写真合成、クレイアニメ、マットペインティング等、様々な表現を織り混ぜ、壮大な視覚空間を紡ぎ出す。アニメファンのみならず、世界中の映画人からも注目され続けている黒坂圭太の最高傑作!
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