「海で、山で、集めた木の実がかたちづくるあーと こぼれおちたいのちはナニになりたがっている?」
この度、農舞台ギャラリーにおいて「生命の記憶・木の実 田島征三展」を開催いたします。
田島征三(たしま・せいぞう)は60年代後半より人気絵本作家として数々の著作を発表しながら、自ら畑を耕し、動物を育てる自給自足の生活を続けていました。また当時住んでいた東京・日の出町のゴミ処分場建設への反対運動に献身し、共に生きてきた動植物を守るために闘いました(この活動は現在も続く)。この時期、絵を描く材料も自足することを考え始め、幼少から親しんできた森の中で見つけた木の実や葉、土などで画作を始めました。癌を患い、1998年に伊豆へ移住してからモクレンとの新しい出会いなどもあり、「木の実アート」を本格的にはじめ、2003年、5年間の集大成を絵本「きみはナニを探してる?」(アートン刊)と「田島征三ぜんぶてんらん会」(池田20世紀美術館)で発表しています。
本展では、この「木の実アート」の最新作2-3点(予定)と伊豆の海辺で行ったインスタレーション写真などを展示予定です。手漉きの和紙の上にモクレンの実のいのちがかたちづくる柔らかで力強い作品が、まつだいの里山を背景に、農舞台ギャラリー常設の農具たちの中で息づきます。全長9mほどの大作もあります。
アーティストグッズ、美術、建築、農業関連書籍、地元の食品、おみやげ品などを扱う併設ショップ「稲稲」(いねいね)では、80年代に制作したシルクスクリーン版画シリーズ「田島征三の畑」の展示・販売を行います。畑の動植物、虫たちなど田島さんと共に生きたみんながとりどりの色彩で描かれた枚数限定制作の版画です。田島さんの世界をご家庭でもお楽しみ頂けます。また田島さん著作の絵本も準備してお待ちいたします。 |